『魅惑の霧島』第三回【焼酎、ビールと霧島】良い水がもたらす霧島の宝

私の中で、「焼酎といえば黒霧(くろきり)」というのがテッパンです。みなさんにとってはいかがでしょう。ちなみに、この「黒霧」というのは愛称、通称。

正確には「黒霧島(くろきりしま)」という霧島酒造株式会社(本社:宮崎県都城市)の本格焼酎の銘柄で、芋焼酎です。

 

 焼酎イコール九州と思われる方もいらっしゃるかも知れません。でも、九州と一口に言っても地域によって主な収穫穀物は様々です。ひいては酒類の原料となる穀類も地域によって獲れるものが違ってくるのです。

 九州の北部から中部にかけては米どころなので日本酒メーカーが多いですが、南部の鹿児島や宮崎になると地質の関係で稲作には不向きなところが多いせいか、焼酎(特に芋)が中心なんです(日本酒メーカーはこの二県では数えるほどしかありません)。

 

「ああ、鹿児島だからサツマイモか!」となった方も多いことでしょう。

芋焼酎はご存知の通り独特の香りがあるので、不慣れなかたにはそこがネックになるようですが、慣れてしまうとその豊かな甘みや鼻に抜ける香りがクセになります。

 

 焼酎もさることながら、もう一つ注目したいのがビールです。昨今、各地で地ビールを見かけますが、霧島にも美味いのがあります。

霧島高原ビール(きりしま高原麦酒株式会社、本社:鹿児島県霧島市)です。焼酎の老舗でもあるこの会社は、ピルスナーの本場、チェコで製造方法を取得したスタッフが作る、玄人も唸らせるクラフトビールを製造しています。

 

 何れにしても、どこの酒造メーカーの方もおっしゃるのが「水」の重要さ。穀類の質ももちろんなのですが、ベースである水の質が美味い酒を作る要なのです。

 霧島山系は火山性のため昔から人の手が入りにくく、自然のままの大地が息づいている場所。

だからこそ、長い年月を経てその大地の奥深いところを透ってき水が、土地で獲れた穀物と結びついて芳醇な宝物を生み出すのでしょうね。

 

 ああっ、一杯いきたくなりました〜!