『魅惑の霧島』 第六回【龍馬と霧島の温泉】
好きな幕末の志士を問われて、西郷隆盛や勝海舟、坂本龍馬などを挙げる人は多いでしょう。
その中で「霧島ゆかりの」と限定するとどうでしょうか。
薩摩藩士はもちろん関係ありそうですが、実は土佐の龍馬も霧島と縁があるんです。
以前にご紹介した霧島の温泉地のひとつ、妙見安楽温泉郷エリアに塩浸温泉(しおびたし、しおひたしーおんせん)というところがあります。
龍馬は寺田屋事件での傷を癒すために、妻のお龍と共にこの塩浸温泉を訪れました。
西郷隆盛の勧めによるこの霧島滞在、これが日本の新婚旅行の始まりと言われています。
本人に「まこと新婚旅行ぜよ」という意識があったかどうかは分かりませんが、新し物好きの龍馬らしい話です。
龍馬夫婦は塩浸温泉に半月以上も逗留したと言われています。
その場所は、現在では「塩浸温泉龍馬公園」としてきれいに整備されていて、宿泊はできませんが、彼らが湯治した温泉施設、資料館、坂本龍馬・お龍新婚湯治の碑などがあります。
鹿児島空港からバスで10分ほどのところなので、鹿児島・霧島旅行の機会があれば、ぜひ観光ルートに入れてみてください。
そして、この塩浸温泉から数キロのところあるのが、日本一の大絵馬が奉納されている和気神社です。
ここにも龍馬が訪れたという碑があります。奈良時代の公卿、和気清麻呂を祀ったお社で、学問・建築・交通安全の神としてご利益があるそうです。
近くには名瀑として知られる犬飼滝があり、龍馬はこの辺りでピストルで鳥を撃って楽しんだという話が残っています。
銃刀法なんて無かったころでしょうけど、観光地の付近で銃を撃つなんて時代が日本にもあったんですね。
これらの龍馬ゆかりの地がたくさんある霧島。幕末の志士に思いを馳せながら旅をするのもいいかもしれません。
写真:霧島市観光写真素材ライブラリーより